カンボジアで身柄を拘束されタイに送還されたテロリスト容疑の夫婦は5日、記者会見を行い、彼らが「逮捕されるだけのために、ホテルの部屋の外に呼び出された。」と話し、赤シャツ軍団の幹部らによる裏切りを主張しました。タイの英字紙ネーションが伝えています。
タイのアピシット首相は、カンボジア政府に対して感謝の意を示し、さらなる協力を求める考えがあることを示唆しました。

タイに送還された2人の容疑者は、タイ警察の取調べに対して、ブームジャイタイ党本部前の爆破事件について、赤シャツ軍団の幹部らが自分たちに罪を被せようとしていると話しました。

タイ警察のクワンムアン補佐官は、記者団の質問に対して、「(夫婦は)自分たちは逮捕されるだけのために、赤シャツ軍団の仲間に、ホテルの部屋の外に呼び出されたと話している。」と答えました。

逮捕されたのは、妻ワリスリヤ・ブーンソム容疑者と、夫コブチャイ・ブーンプロブ容疑者の夫婦2名で、先週土曜日(3日)にカンボジアのシュムリアップ拘置所に入れられ、2日間を過ごした後、バンコクに送還されました。

クワンムアン補佐官によると、両容疑者は、赤シャツ軍団メンバーで逃亡中のパヤップ・パンケット氏と、DJオームことカンヤパック・マネージャク氏に騙されたと話しているということです。

ワンスリヤ容疑者は、バンコクのスワンナプーム空港に到着後、タイ法務局の特別捜査局(DSI)への移送中、「私たちは嵌められた。」と叫ぶ姿が見られました。

ワンスリヤ容疑者は、爆弾事件には関与しておらず、他の容疑者を匿っていただけで、夫と共に陥れられたと訴えています。

これまでの調べで、ワンスリヤ容疑者とコブチャイ容疑者の夫婦は、爆弾事件が発生した翌日の6月23日にタイから出国したことが判明しています。

一方、タイのアピシット首相は、カンボジア政府による容疑者逮捕への協力に感謝の意を示し、「今後も、カンボジア国内にタイ人容疑者がいることが判明した場合には、さらなる協力をもとめるつもりだ。」と話しました。

タイのステープ副首相は、赤シャツ軍団幹部で逃亡中のアリスマン容疑者がカンボジア国内にいるとの報道については、記者団からの質問に対する回答を避け、「事実を見なければならない。」と答えました。

また、カンボジアのタイ大使館からは、現在、タイで事件などに関与したとされる容疑者のうち何名がカンボジア国内に滞在しているのかについて報告が行われていないと話しました。