ife_borタイ各地の5つの選挙区で行なわれた12日の補欠選挙を受け、来年にも行なわれる予定の総選挙の時期が早まる可能性が高まったと、タイの英字紙ネーションが伝えています。

現在伝えられている選挙結果(未確定)によると、民主党による連立政権を評価する傾向が見られ、民主党政権が汚職にまみれているとアピールし、政権交代への弾みをつけたいプアタイ党にとっては苦しい結果となっています。
総選挙の早期実施について、アピシット首相およびステープ副首相は揃って明言を避けましたが、ステープ副首相は「総選挙の実現のためには、国内が平常である必要がある。」と発言し、親タクシン元首相派による反政府デモ集会などの動きをけん制しました。

また、アピシット首相は、大規模デモ集会の散会後に行なわれている親タクシン派の赤シャツ軍団のデモ集会が「平和的であり、良い兆候だ」と話した上で、「(非常事態宣言などの)特別法を用いることなく、国内の平和が維持されることが確認されたとき、総選挙の準備が整ったと言える」と述べています。

「政党の分離と、連立政権の組み換えによって誕生したアピシット政権は、総選挙による国民の信任を得ずに政権を獲得した」として、親タクシン派の赤シャツ軍団は「解散総選挙」を訴え続けてきましたが、「タクシン派は選挙に強い」という神話に陰りが見えた今、どのような行動に出るのか注目する必要がありそうです。