タイとカンボジアの国境紛争が泥沼化、いよいよ国際司法裁判所への訴えへ。
カンボジア政府は30日、今年に入りタイとの紛争が激化しているクメール遺跡プレアビヘア(タイ名:カオプラウィハーン)周辺地域での国境紛争について、国際的な司法判断を求める動きを開始しました。国際司法裁判所(本拠地:ハーグ)における正式な提訴を前に、裁判官16人に対して、紛争の経緯と現状について訴えました。
カンボジアのホー・ナムホン副首相は「我々は、武力紛争の拡大を回避し、平和を保護する措置を講ずるため、司法に訴えたい」と話しました。

今年2月、プレアビヘア周辺地域における両国の軍事衝突により、10名が死亡したことを受け、国連が停戦を求める声明を発表しましたが、4月に入り18人が死亡、周辺住民ら8万5000人が避難する事態となっています。

クメール遺跡プレアビヘアに関する国際社会における位置づけでは、1962年にハーグ国際司法裁判所が「カンボジア領である」との判決を下しているほか、2008年にはユネスコが「カンボジアの文化遺産」として世界遺産登録を進めています。