人々の記憶から忘れ去られた頃に、この判決。
2008年の反政府デモ集会に参加し、警察による強制排除により負傷した250名が、警察および首相府を相手取り、総額6250万バーツの賠償を求めていた裁判で、タイ中央行政裁判所は5日、原告団の訴えを認め、1人当たり8900バーツから510万バーツの支払いを命じました。

賠償命令は、右腕を切断したチンチャイさんが510万バーツ、重傷を負った5名が190万バーツから370万バーツなどで、60日以内に支払いを実行することを定めています。
裁判所では、警察が行なった反政府デモの制圧行動が、国際的な基準から外れているとの認識を示しました。制圧行動の実施に当たっては、緩やかな措置から始め、段階的に圧力を強めていくべきであるところを、初動時から催涙ガス弾の発射などの強攻策を講じている点を問題視しました。また、催涙弾をデモ参加者らを狙って発射するなど、不適切な催涙弾の使用も確認されたということです。


<黄色軍団PADの大規模反政府デモ集会>
2007年末の総選挙によりタクシン元首相派の政権が樹立されたことを受け、反タクシン派団体PADによって引き起こされた2008年の大規模な反政府デモ集会は、首相府の占拠、サマック首相の退陣、バンコク2大空港の占拠などと拡大した。12月、裁判所による与党の解党命令が出され、民主党による政権交代が実現したことで、一連の混乱は収束した。