いったい何が始まってるの!?
Why_Live_in_Thailand

タイの英字紙ネーションの最終兵器であらせられるミーチャイ・ブラパさんが、「タイでは、西洋人たちは、身の丈以上の身分に早変わり」と題した挑発的なオピニオン記事を公開されております。

---------------------------以下、ブラパさんの記事全文の翻訳です-------------------------

「タイでは、西洋人たちは、身の丈以上の身分に早変わり」

タイ在住の西洋人たちは、いつもいつも不満そうに、やれ(タイ人と外国人の)二重価格だの、やれ騒音だの、大気汚染だの、危険な運転だの、不親切なタクシー運転手だの、悪徳な警察官だの、ワールドカップ中継で英語の解説がないだの、野良犬がどうだの、文句ばかり言っております。

しかし、彼らはタイに住み続けています。どうしてですか?
一般的に、タイ人は西洋人を尊敬しております。タイ人は西洋人を要人だと感じているので、西洋人に対しては好意的で、礼儀正しくて、そして、手を差し伸べようとしています。一体なぜ、タイ人は西洋人を敬うのでしょうか?


約500年前、ヨーロッパ人がアユタヤに辿り着いたとき、彼らは高級船に乗り、大砲や望遠鏡、マッチや方位磁石や懐中時計や鉄砲などを携えてきました。当時のタイ人(サイアム人)は、それらの道具に魅了されました。

ヨーロッパ人たちは、国王自らによる歓迎を受けました。

彼らは直立したままの状態で、国王と面と向かって話をしていました。これは、タイ人にとっては想像もつかぬことでした。国王の前で鼻を地につけて平伏すことのみが、タイ人に与えられた権利でした。

こうして、彼らは西洋人と国王が同じランクであると感じるようになりました。この態度は何世代にも渡って引き継がれています。

その後、20世紀になり、ハリウッド、エルビス、ビートルズ、ロールスロイス、メルセデスベンツ、フェラーリ、アポロ計画、そして、コカコーラが、さらに西洋人に威厳を与えたのです。


しかし、在タイの西洋人はいつも、自分たちがタイに居ることに言い訳をします。彼らは、心配だからタイにいるんだと言います。彼らは、お金と仕事と技術を持ってくるんだから感謝すべきだと言います。

彼らは決してタイが好きだとは認めないでしょう。

それぞれの国に帰れば凡人かもしれませんが、ここタイでの彼らは、タイ人女性の良き夫であるミスター・ジョーか、英語教師であるジョー先生か、もしくは、子供を愛する陽気なジョーおじさんなのです。

そして、安い生活費のこと、安い性風俗(※1)のこと、ドラッグのこと、”何でもあり”のタイ文化のことなど決して口に出したりしないのです。


これが、西洋人がタイに好んで住む理由です。


ミーチャイ・ブラパ

チェンマイ

------------------------------------以上、翻訳おわり----------------------------------

※1の箇所は、原文ではもっと直接的な表現をしていますが、凡人としては直訳を避けました。


さて、いったい何がブラパさんの導火線に火をつけたのか分かりませんが、西洋人がタイに居る理由を十把一絡げに論じる前に、タイ人の500年来の西洋人恐怖症を克服する術を考えていただかないと、問題の本質的な部分は解決しないように思います。

ホテルからファーストフード店に至るまで、タイのありとあらゆるサービス業で、タイ人よりもアジア人よりもアフリカ人よりも、西洋人が優先されている現実を目にして、残念な気分になることが多いです。

さて、この記事に対して、リチャード・バロウさんが乗ってくると盛り上がるんですが、どうでしょうか?

原文 :In Thailand, farang get an instant status upgrade (The Nation)