インドネシアのニュースをお伝えします。キャップ(@capbkk)です。
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インドネシアで、女性がバイクの後部座席に「またがって乗ること」を禁ずる条例案が物議を醸しています。

この条例案が出されたのは、スマトラ島北部のアチェ州ロークスマウェイ市で、「(女性がバイクにまたがることは、)イスラム法に反する不適当な行為である」と主張する市長に対して、「女性に対する差別的な行為だ」と主張する女性人権団体からの激しい反発の声があがっています。

市長「女性は、バイクにまたがらず、片側に足を並べて乗るべき」

ロークスマウェイ市のスアイディ市長は、2013年の年初スピーチで、「イスラム法に則り、女性がバイクの後部座席にまたがって乗る行為は、不適当なものである」、「女性は、バイクにまたがらずに、片側に両足を出し、サイドステップに足を揃えた状態で乗るべきだ」と話し、条例がイスラム法によって適当な行為であるとの主張をしました。

また、女性人権団体からの反発に対しては、「イスラム法を犯すことによって引き起こされる災いから、女性たちを守りたい」、「女性はデリケートな生き物であるから、この条例によって女性たちに敬意を示したい」などとの発言を行っています。

アチェ州は、保守的なイスラム教徒らが数多く居住する特別州で、イスラム法による統治が行われています。

女性人権団体「女性に対する差別である」

インドネシアで活動する女性人権団体からは、「この条例が、性別による道徳を前提にしている以上、これは女性に対する差別的な行為である」、「市長には、もっと優先させるべきことがあるのではないか?」などと非難の声が出ています。

また、一部の有識者からも、本来のイスラム法の正しい適用ではないなどと、ロークスマウェイ市から出された条例案について、懐疑的な意見も聞かれます。

この条例案は現在、インドネシア中央政府に申請されており、承認を待って施行される予定です。

参考 : Mayor Takes On Motorcycle Immorality