バンコク在住の会社員KJさんのサッカーコラムです。
AFC U-16選手権2014グループB 第一試合 9月8日 日本×中国観戦リポートです。

試合前から降った雨でこの日もピッチコンディションは最悪
この日、直前の試合でオーストラリアが香港に2-0で勝ったため、この試合で勝てば日本は決勝トーナメント進出が決まる。先発はまったく違う選手を登録、基本は同じ4-3-3でGK千田,DF石川,富安,森岡,阿部,MF渡辺,菅,永澤,FWはトップ下が杉浦,右サイドが斧澤,左サイドに渡辺陽を配置、試合前から激しい雨が降りピッチコンディションが悪い中パスを主体とした得意の戦術で攻撃を展開する日本だが、荒れた芝とトラップミスに加え中国の激しいチャージとファールすれすれのタックルにより思うようにボールを廻せない。
逆に中国は日本からボールを奪うと中盤を省いて前線にボールを放り込んでカウンターを仕掛けられる場面が何度かそんな中何度か日本はチャンスを掴むが得点には至らない、20分には渡辺がミドルシュートを放つがGKにセーブされ、30分にも永澤のスルーパスに反応した渡邊がGKと1対1というチャンスにシュートしたがこれもGKが弾いてこぼれ球をさらに阿部が詰めるが惜しくも外してしまう。また40分には石川が右サイドからドリブルで切り込んでシュートしたボールがゴールを割ったのだが、オフサイドによりノーゴール、前半終了直前にも決定機に渡邊が決定的な場面を作ったもののこれもノーゴール。
後半・自分達のサッカーを貫いた日本の猛攻が始まる
中国との実力差は歴然としていたがぎりぎりでの攻防でラフプレーやすぐにタッチラインに逃げる相手に攻め倦んでいた日本だが、後半はピッチコンディションの良いサイドでの攻撃によりようやく結果が付いてくる。開始早々早いパス廻しから左サイドに展開した阿部がゴール前まで鋭く切り込んでシュートを放つかと思われたが右サイドからは知りこんで来た斧澤になんとパス!(こういう時にしっかり自分で打たないところに積極性の無さを感じるのだが)受けた斧澤は相手DFと絡まるように倒れたことによりPKを得たのだが、やはり阿部はあのようなチャンスには自分でシュートをすべきだと思う。香港戦で弾丸ミドルを放った菅が左足で落ち着いて決めようやく日本が先制する。
このあたりから日本のパスサッカーに揺さぶられた中国の足が止まり始め、53分にはハーフウェイラインで相手ボールを奪った永澤から杉浦に渡り長いパスを前線に放り込むと渡邊が絶妙なタイミングで抜け出して相手DFを引きつけゴール前に走りこんだ斧澤に出すと右足で蹴りこんだボールは左ゴールポストに当たり2点目となる。この時インパクトした音はメインスタンドまで聞こえてきたほどである。
さらに追加点を狙う日本は攻撃の手を緩めない、57分には右サイドの石川が中央よりから出したスルーパスにオフサイドぎりぎりで抜け出した永澤が完全にフリーになりシュートしたボールがバーに跳ね返される。外したと思った永澤は後ろを向こうとするが相手DFの背中に当たったボールが目の間に転がって来たのを押し込んで3点目、これはたまたま運良く決められたがシュートを放った後でも残心を忘れると取り返しのつかないことになるので肝に命じて頂きたい。
その後もメンバーを富安から下口に杉浦を田中碧に変えてさらに中国を攻め立てるが相手も必死に守る。80分には渡邊が決まったと思われるような場面でシュートを放ったが得点には至らず。3点差という結果は充分だと言えるのかもしれないが決定的な場面で外したことや完全に足が止まった相手に対してさらに追い込むような冷徹な部分もこれからは不可欠と思われる。またピッチコンディションが悪い時には他のオプションによる攻撃を用意した方がいいのではないか?持ち味を出し切れない時に他の攻撃パターンが無ければ世界で戦うには少々心許無い。
次は同じく2連勝を果たしたオーストラリアとの一戦だが、この結果によって決勝トーナメントの相手が決まる。その相手に関わらず圧倒的な力の差を見せ付けて勝ってほしい。